「うちの子、抱っこしても落ち着かない…」0歳の赤ちゃんの発達について不安を感じたことはありませんか?
実はそれ、赤ちゃんに生まれつき備わっている「原始反射(げんしはんしゃ)」が関係しているかもしれません。
今回は、0歳の発達における原始反射の役割や、発達障害との関係について、つくば市の鍼灸師がわかりやすく解説します。
原始反射ってなに?
原始反射は、生まれてすぐの赤ちゃんにも見られる 無意識の反射的な動きです。
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モロー反射:大きな音や急な動きに反応して、手を広げて抱きつくような動きをする
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吸てつ反射:口のまわりに触れると、自然に吸いつく
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把握反射:手のひらに触れると、ギュッと握り返す
など、一度は聞いたことがあるママも多いのではないでしょうか。
これらは、まだ自由に身動きができない赤ちゃんが自分で生きていくための大切な反応です。
ヒザの下を叩くと足がポンと跳ね上がる「膝蓋腱反射」や、レモンを見ると自然とツバが出る「条件反射」は一生涯ありますが、 原始反射は成長とともに自然に消えていくもの。
例えば、モロー反射は生後4〜6か月ごろ、吸てつ反射は4か月ごろまでに見られなくなるのが一般的です。
原始反射が残りすぎるとどうなるの?
原始反射は成長するにつれ消えてゆき、代わりに自分の力で自由に動く力がついていきます。
例えば、「反射で手を握る」ことしかできなかったのが、成長とともに「自分の欲しいオモチャをつかみ取り、いらなくなれば手を離す」ことができるようになります。
ただ、反射が長く残りすぎてしまうこともあります。
その場合、上の「手を握る」の例ですと、「もういらないから手を離す」ことができない、ということに。
他の反射が残った場合も、体の動かし方がぎこちなくなったり、感覚が敏感になりやすかったりします。
具体的には、
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抱っこしても落ち着かず、常にビクビクしている
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寝返りやおすわりのタイミングが極端に遅れている
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音や光、触られることに強く反応する
こうした状態が続くことで、ママやパパが「うちの子、ちょっと育てにくいかも…?」と感じることもあります。
原始反射と発達障害の関係
発達障害(自閉スペクトラム症やADHDなど)の子どもたちの中には、原始反射が長く残っているケースがあることが知られています。
もちろん、すべての「原始反射が長く残る=発達障害」というわけではありませんが、
感覚過敏や姿勢の不安定さ、癇癪が強かったり集中力が続かないといったことの原因のひとつに、原始反射の残存がある場合があります。
※「すべての原始反射が完全に消失していなければうまく成長できない」というものではなく、大人でも原始反射の一部が多少残っている人は意外に多いんです。逆に、原始反射だけが困りごとの原因ではないので、あくまで原因の一部と考えられる、と捉えてもらうと良いかと思います。
子どもの成長は、適切に段階を踏む必要があるので、原始反射が残っていてそれが問題である場合には、その発達段階まで戻って原始反射を除いてあげる必要があります。
原始反射は回数券のようなもので、いろいろな方法でたくさん体を動かしたり、楽しく触れたりしてあげて、”原始反射回数券”を使い切ること(専門的には「原始反射の統合」といいます)で通常は自然に原始反射を卒業していきます。
だからこそ、「ちょっと気になるかも」と感じた時点で、早めにサポートを始めることは、その後の成長をスムーズにする意味でもとても大切なんです。
育児のお困りごとに「小児はり」でできるやさしいサポート
「なんだか育てにくい…」「お世話が大変」などお困りごとのある子に対して、最近注目されているのが「小児はり」です。
小児はりは、赤ちゃんや子どもに、専用の刺さない「はり」で皮ふをなでるように刺激する方法で、痛みもなく安心して受けられます。
このやさしい刺激が、心身のリラックスを促し、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
すでに療育やリハビリを受けている場合には、自律神経のバランスが改善されて体調が整うことで、欠席が減り、計画通りに療育を受けやすくなるというメリットもあります。
最後に
この記事では、原始反射と発達との関係、そして小児はりでできるサポートについて解説しました!
原始反射は、成長の道しるべでもあります。
でも、いつまでも強く残っていたり、ちょっと気になることがある場合は、「気のせいかも」と思わずに、小児科や保健センター、市の子育て支援施設などで気軽に相談してみてください。
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