【鍼灸師監修】耳つぼとは?|実は奥が深い!3つの療法と効果まとめ

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「耳つぼとは?」そんな疑問をもつ方へ。
実は奥が深い話題の耳つぼジュエリー。
鍼灸師の筆者が、東洋医学やフランス式など耳つぼ療法の種類と効果をわかりやすくまとめました。
耳つぼにちょっと疑問を持つあなたにこそ、読んで欲しいです!

耳ツボには3種類があるらしい?

えりーが鍼灸学生だった20年ほど前、「耳ツボといえばフランス(ノジェ式)」と学校で教わりましたが、
どうやら耳ツボにはいろいろな流派(?)があるらしい…!
現在の耳ツボ療法は、大きく分けて3つ系統があるんです。

①東洋医学に基づく耳ツボ療法

②フランス発のノジェ式耳介療法

③アメリカ軍由来のBFA(バトルフィールド・アキュパンクチャー)

耳ツボとひとくくりにいっても、それぞれアプローチの仕方や目的が少しずつ異なります。
今回は、3つの特徴と違いをわかりやすく解説します!

①東洋医学の耳ツボ療法:体質とバランスを整える

東洋医学では、耳には全身の経絡や臓腑の反応点が集まっていると考えられています。
「気・血・水」の陰陽のバランスを整えることが健康への第一歩。
耳には神門(しんもん)・胃・肝・腎・肩など多くのツボがあり、それらを刺激することで体調を調えるのが目的で、
鍼や金属粒、植物の種などでツボに刺激を与えます。

たとえば、肩こりには「肩のツボ」!
…ですが、その症状に、ストレスが強く関わっている、ホルモンバランスの乱れの影響が大きい、胃腸の疲れが深く関係している、など、 カラダ全体を見ながらその人の体質に合わせてツボを選んで、不調改善や体質改善を目指していきます。

②ノジェ式耳介療法:反射区に基づく神経系アプローチ

1950年代、フランスの医師ポール・ノジェ氏が提唱した耳介療法は、「耳に全身の反射区がある」という理論から生まれ、確立されました。

耳に逆さの胎児の形で全身が投影されている」という考え方が特徴的です。
現在ではヨーロッパの医療機関でも補完医療として使われています。

ノジェ式では、痛みのある部位や不調に対応する「反射点」を耳から探し出し、鍼や粒で刺激します。
たとえば、腰痛なら「腰の反射点」、肩こりなら「肩の反射点」を探して施術。
また、自律神経に関わる「迷走神経」や「交感神経点」などを使って、体全体の調整も行います。

東洋医学では、1000年以上前の文献にすでに耳ツボについて記載があるようですが、体系的にまとめられたものはありませんでした。
ノジェ医師は、東洋医学の記録やヨーロッパのリフレクソロジーなどを基に、「耳介療法」として体系的に確立させたといわれています。

今大流行の耳ツボジュエリーは、上2つの理論を参考に、美容やリラクゼーションを目的としてエステや美容院で施術されていることが多いようですね。

③BFA(バトルフィールド・アキュパンクチャー):痛みとストレスに特化した新しい耳ツボ療法

耳ツボジュエリーからは少し離れてしまいますが、世界的に見ると外せない耳ツボ療法がBFA(Battlefield Acupuncture)。
アメリカ空軍の軍医リチャード・ニムゾフ氏によって2001年に開発されました。
上にあるノジェ式をベースにして考案されており、特定の5つのツボに小さな鍼を刺入します。
「戦場(バトルフィールド)で、鎮痛とストレス緩和のために、すぐに効果を出す」ことを目的とした耳鍼療法です。

痛みや不安感、PTSD、うつ、自律神経の不調などに即効性があるとされ、アメリカ軍の現場や退役軍人のケアでも使用されています。
座ったまま、服を着たままでOKなので、戦場のみならず災害現場など、施術のための場所が十分に取れないところでも施術できます。

日本ではまだ知名度は低いのですが、一部の医療機関や鍼灸師によって導入が始められているようです。

まとめ

今回は、今大ブームの「耳ツボ」について鍼灸師の目線から解説してみました。

耳ツボは“可愛いおしゃれ”だけでなく、実はとっても奥の深いケア。
これからまだまだ進化していきそうです。

鍼灸えりーでは、まず全身の鍼灸施術で体のバランスを整えるのが基本
その上で、必要と感じた方には 耳ツボの鍼シールや耳ツボジュエリーをオプションでプラスしています。
耳ツボだけの施術は行っておりませんが、ご興味のある方はぜひ施術時にご相談くださいね。

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